寝ても疲れが取れない時のサプリ|症状改善に効果的な成分は?

寝ても疲れが取れない時のサプリ|症状改善に効果的な成分は?

寝ても疲れが取れない原因って何?

寝ているはずなのになんかだるい…
いくら寝てもつかれが取れない…
そんな自覚症状があるときは、眠りの質が低下しているかも。
睡眠の質低下を引き起こす原因はいくつか考えられますが、代表的なのは以下の6つ。

  • こころの病
  • 自律神経の乱れ
  • 体内時計の乱れ
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 栄養の偏り
  • 肝臓の疲れ

 

これらを改善するためには、自律神経を整え、睡眠に重要な役割を果たす脳内神経物質のバランスを良くすることが効果的です。

では、自律神経を整えるにはどうしたらいい?

カンタンに言ってしまえば、早寝早起き、朝太陽の光を浴びる、夜は暗くして寝る、適度な運動、規則的でバランスの良い食事をとるなどなど。
生活全体のリズムを整えることで、「寝ても疲れが取れない」状態を改善することができます。
また、生活習慣の改善とともに、自律神経を整えるのに必要な栄養素や成分をサプリなどで取り入れることも効果的です。

 

寝ても疲れが取れないのは栄養不足が原因かも!積極的に摂取したい成分

ビタミン

毎食さまざまなビタミンをバランスよく摂取するのが1番いいのですが、忙しい現代社会ではそうも行かない場合もありますね。
食事で足りないビタミンはサプリメントで補うことも効果的です。
自律神経を整えるには、代謝のビタミンと呼ばれるビタミンB群が欠かせません。特にビタミンB12は自律神経を整える機能があると言われています。
ただ、ビタミンB群は互いに助け合いながら働く性質があります。サプリを選ぶ際にはビタミンB12のみでなく、ビタミンB群がバランスよく含まれたものを選ぶようにしましょう。

ビタミンB12の効果

貧血予防、自律神経を整える、睡眠リズムを正常に保つ

ビタミンB12を多く含む食品

レバー類、貝類など

 

クエン酸

クエン酸はビタミンCやB群と一緒に摂ると◎!ビタミンの働きを助けてくれます。

クエン酸の効果

ビタミンの働きを助ける、疲労回復

クエン酸を多く含む食品

柑橘類、梅干しなど

 

アミノ酸

睡眠に関与しているアミノ酸には、トリプトファン、グリシン、γ-アミノ酪酸(GABA)があります。
このうち、グルタミン酸が脱炭酸し生成するGABAは、血液脳関門を越えることができません。

 

この血管脳関門と言うのは、脳内にいろいろなぶつ物質が入ってきたら困るので、必要な物質だけ脳内に入れるようにする機能です。だから、GABAはどれだけ摂取しても、直接、睡眠には関与しないと言われてきました。しかし2006年にあるNPOの行った研究では、経口摂取でもストレス、心配、不安が軽減すること示され、GABAのストレス軽減効果が示されています。

 

脳内で興奮性のアミノ酸であるグルタミン酸から生合成されたGABAだけが、睡眠増強作用を示します。興奮性のアミノ酸が睡眠作用を示す物質に変換されることにより脳の機能を調整しているのです。

 

トリプトファンは、ビタミンB3など、いろいろな生理活性物質に変換されます。睡眠に関与する物質として、セロトニンという物質を経由して、メラトニンという物質に変換されます。ここで注意して頂きたいのは、トリプトファンはメラトニンにだけに変換されるのではなく、キヌレニン経路と呼ばれるシステムにより様々な物質に変換されます。

 

このメラトニンは、朝、太陽の光を見てから15時間後に合成されるという性質があります。詳細についてはまだ研究中ですが、メラトニンがたまると、眠気を誘うのではと推定され、毎日の生活リズムである慨日リズムに関わっていると考えられています。

 

必須アミノ酸のなかで、最も単純な構造をしているのがグリシンです。最近、グリシンには、様々な活性があることがわかってきました。眠りの質を向上させたり、すっきりと朝、目覚めることができたりとなど、主に睡眠に関わっていることがわかってきました。

 

その他のおすすめ成分

肝臓の中にはオルニチン回路(尿素回路)というシステムがあり、疲労物質であるアンモニアを尿素に変換しています。シトルリンやアルギニン、オルニチンと言ったアミノ酸が関与しています。このシステムが作動すると、疲労物質アンモニアが除去されるだけではなく、一酸化窒素(NO)が発生します。NOが発生すると、血管が拡張されたり、脳下垂体から成長ホルモンも分泌されます。この成長ホルモンが、睡眠にとって非常によい仕事をしてくれるのです。成長ホルモンは、交感神経を休め、ストレスによるダメージを除去します。また、免疫力も高めるので、病気にかかりにくい健康な体にしてくれます。

 

寝ても疲れが取れない時はカフェインの摂取にも注意

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経が働いている時は緊張している状態です。ある程度、緊張しないと仕事や運動では実力が発揮できません。また、副交感神経が働いている時はくつろいだ状態です。不眠を訴える人は、ストレスなどにより交感神経が作動したっきりになって、副交感神経が作動しない人が多いです。

 

カフェインを摂取すると交感神経が活性化されます。現代はストレス社会と言われているほどストレスが多いです。つまり交感神経が活性化しやすい状態になっているのです。さらにカフェインを摂取すると、睡眠時になっても交感神経が作動している状態になり、睡眠の質が低下してしまう場合も。

 

【目的別】この症状にはどんな成分が配合されたサプリが良い?

疲労を回復したい時におすすめの成分

ビタミンB群、クエン酸

 

睡眠の質を上げたい・目覚めを良くしたい時におすすめの成分

グリシン

 

心がイライラ・ストレスを感じる時におすすめの成分

トリプトファン

 

病気になる前に!寝ても疲れが取れないときのサプリまとめ

今まで説明してきた化合物を列記します。「ビタミンB類」「ビタミンC」(「GABA」)「トリプトファン」「クエン酸」「グリシン」。これらはすべて栄養補助食品(サプリメント)で取ることができます。
偏った食事により特定の栄養しかとれていない方や特定の栄養が取れていない方、ストレスが溜まってしまった方にバツグンです。これらのアイテムを活用し、睡眠をよりよい状態にし、明るく楽しい日常を満喫しましょう。

オレキシンという物質が、最近、睡眠を制御していると言われています。このオレキシンが少ないと、「睡眠しろ」という命令が脳から発せられ、多いと「目覚めよ」という命令が脳から発せられます。 また、これまた睡眠をつかさどる性質を持つメラトニンという物質が知られています。メラトニンは、明るい時間には分泌量が減り、暗くなると分泌量が増える物質です。 以前は、このメラトニンが分泌されると、睡眠が引き起こされると考えられていました。 最近は、睡眠のオン・オフを制御している物質は、オレキシンという物質であることが判明しています。ただ、メラトニンが慨日リズムと睡眠に関わっていることは明らかであり、オレキシンとメラトニンとの関係が解明されつつあります。 このメラトニンは、抗酸化剤としても働きます。すなわち、活性酸素を除去してくます。 日常生活でたまる精神的疲れ、肉体的疲れは、すべて酸化ストレスであるヒドロキシラジカルと考えることができます。この酸化ストレスを消去してくれる物質が、抗酸化物質です。抗酸化物質の内には、ビタミンEやビタミンCなど医薬品として使用されているものもあります。また、最近、流行りの水素水のように、薬事法では認められていませんが、いろいろな論文で抗酸化作用が謳われている薬品も出てきました。 体内には、デンプンなどの炭水化物からエネルギーを取り出す解糖系というシステムがあります。ビタミンB類(ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B7、B8、B12)は、解糖系に関与しています。これらのビタミン類か不足すると、解糖系というシステムがうまく働かず、元気をチャージすることができないこともあります。 ビタミンCは、抗酸化作用や免疫増強などが知られています。このビタミンCでも、元気をチャージすることが可能とも言われています。これは、精神的ストレスが酸化ストレスに変わり、この酸化ストレスをビタミンCの抗酸化作用により抑制されるからと言われていますが、詳細は研究中とのことです。 解糖系というシステムは、デンプンなどの炭水化物を分解することによりエネルギーを体内にチャージしますが、このときピルビン酸という物質が生成します。このピルビン酸を二酸化炭素にまで分解するシステムをクエン酸回路(TCA回路)と言います。このシステムは、クエン酸があると活発に働き、ピルビン酸を二酸化炭素まで分解し、やはりエネルギーを体内にチャージします。だから、ビタミンB類やビタミンCと同時にクエン酸を摂取すると、ツインパワーで炭水化物の持つエネルギーをチャージすることができるのです。 また、ピルビン酸は、疲労物質である乳酸が酸化された化合物であり、体内では等価体として振る舞います。教科書的には、ピルビン酸を分解すれば、疲労物質である乳酸も減少するのです。クエン酸回路というシステムは、エネルギーチャージだけではなく、疲労物質の除去もしてくれるのでありがたいのです(ごく最近の研究では、乳酸は疲労物質ではないのではないかとも言われていますが、ここでは疲労物質として扱います)。 この炭水化物からのエネルギーチャージと脳の疲労回復は別です。炭水化物からのエネルギーチャージは、主に筋肉の疲労回復に関わっています。では、脳の疲労を回復させるためにはどうすればよいのでしょうか。それは、ぐっすりと熟睡することです。 メラトニンも酸化ストレスを消去します。そして、目覚めたとき活動するためのエネルギーを回復させます。メラトニンが何らかの理由で不足した時、酸化ストレスが十分に消去されず、朝、目覚めても疲労が残ってしまいます。また、酸化ストレスがあまりにも大きい時、たとえば、激しい運動をしたとき、強烈な精神的ダメージを受けたときなども、同様に、疲労が残ってしまいます。 ミトコンドリア内では、呼吸の一環として、酸素のアニオン・ラジカルが生成します。非常に反応性の高い物質ですが、この物質がないと呼吸ができません。酸素のアニオン・ラジカルは、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)という酵素により、過酸化水素に変換されます。通常、ミトコンドリア内には、鉄イオンなどはありませんが、何らかの理由で鉄イオンが存在すると、ヒドロキシラジカルが発生します。このヒドロキシラジカルが老化に大きく関わっていると考えられています。 タウリン配合のリポビタンDは、「指定医薬部外品」になります。そして、その効果は、疲労回復、滋養強壮などです。ただ、無水カフェインが配合されているのが気になります。タウリンの効果は、脂肪を燃焼させエネルギーを得ることにより、疲労回復をさせることです。これと似たような物質はないものでしょうか。 既に、本稿で登場した成分以外に、タウリンと似たような性質を示すL-カルニチンという物質があります。 ここで、製薬業界について紹介します。現在の特許制度は、新しい物質を発見すると、その物質に対して権利が主張できる制度です。これを物質特許制度と言います。グリシンなどの誰もが知っている、教科書にまで出ている物質で物質特許は取れないのです。グリシンに特別な作用があることがわかっても、グリシンを独占販売することは難しいのです。だから、製薬会社は、このような物質を医薬品にはしません。医薬品にするためには、動物に投与する前臨床試験、人に投与する第1~3相までの臨床試験をおこない、作用機序、毒性、効能を解明し、用量を設定します。そして、厚生労働省に結果を報告し、厚生労働省の承認・販売許可(薬価収載)を受ければ医薬品として認められます。これには億単位のお金がかかります。だから、グリシンのようなタンパク質に含まれている物質を医薬品にはしません。利益がないからです。 有名なアミノ酸メーカーであっても栄養補助食品として販売しているだけです。だけど、グリシンの睡眠に対する作用は、今後、さらに研究されると推定されます。 緑茶には、様々な物質が含まれています。カフェインのような興奮性の物質、カテキンやタンニンのような抗酸化物質などが有名です。これら色々な成分の中にテアニンという物質も含まれています。このテアニンを摂取すると、リラックス状態になると言われています。これは、テアニン接種後、脳内にアルファー派が現れるという実験結果に基づいています。また、アメリカFDAは、テアニンには何の毒性もないということを認めており、海外ではよく使用されています。このように、緑茶は、興奮性物質とリラックス物質の両方を含むため、飲む人に何を訴えたいのかよくわからない飲み物なのです。